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世間一般で言うところの「友人」はいないって思ってたけど…
以前の「発達障害当時者の私が学生時代に言って欲しかった言葉」という記事で、
世間一般で言うところの「友達」という定義に当てはまるような人は自分にはいない
と書いたんですが、その時は、
もし親しい関係を築けないことに悩んでいる方がいれば、
自分みたいな人間もいるよ
ということがわかれば、ちょっとでも何かの励ましになるかなと思って、
こんなこと偉そうに言うのもおこがましいかなと思いつつも、書いてみました。
でも、ふと考えたら、
いや、待てよ、もしかすると、「友達」いる…かもしれない…?
と考えなおしました。
発達障害者の勉強会に行くと、同じ悩みを抱えた様々人々との出会いがある
どいういうことかというと、
大人になって社会に出てから、発達障害の診断を受けて、
地域で開かれる発達障害者の勉強会に参加するようになってから、
2、3人の同じ発達障害者の方と知り合いになり、
月に1、2回ほど、一緒にお昼ご飯に行ったり、
カラオケに行ったりして仲良くさせていただいています。
でも、自分の中では、「友達」というカテゴリというよりは、
同じ発達障害という困難を抱えながら、別々の場所で困難と闘い続けてきた「同志」に出会った
という感覚だったので、自分の脳内を「友達」というワードで検索をかけても引っかかってこなかったんですね。
完全に別部屋の「同志」カテゴリに入ってました。
でももしかして、これは、「友達」カテゴリに入れてもいいのかな、と思ったりしています。
未だに「友達」というものの定義が自分の中でフワフワしていて、自信がないんですが。
「同じ発達障害者同士」という安心感から、話がしやすい
一般的に言う「友達」という感覚とはちょっと違うと思いますが、
やっぱり、同じ発達障害を抱えている人と話すと、ちょっとしたことでも、
それわかる!
それあるある!
私だけじゃなかったんだ!
という感じで、いちいちものすごく共感できるんですよね。
だから、今まで感じたことのない、
この人ともっと話がしてみたい
という感覚が自然と自分の中から湧き上がるのを初めて感じました。
これは、
共感性が著しく低く、
誰にも興味を持てない、何の話にも興味を持てない、
という人生をずっと過ごしてきた私にとっては、初めての経験でしたし、
ものすごく衝撃的な出来事でもありました。
「発達障害」という共通の話題があるからこそ、安心して心を開ける
短い挨拶でさえできないほどの、コミュニケーション能力の低い私が、
なぜ、発達障害の勉強会で、親しい関係を築ける人ができたかというと、
相手の方のコミュニケーション能力が私よりも高くて、その分助けてもらえていた部分も大きかったと思うんですが、
それと同時に、自分の内面としては、
「発達障害」という同じ困難を抱えている、という下地があれば、
自分がもし発達障害ゆえの失言をしたり失礼な行動をしても、
ある程度までは大目に見てもらえるかもしれない、理解してもらえるだろう
という安心感が生まれて、すごく楽に話すことができた、ということも大きな要因だと思います。
会話している時に、安心感を感じている、という状態が自分でもすごく不思議です。
今までは、何も興味が持てない、何も感じない、一言も相手に返す言葉がない状態で、
必死に、覚えた会話パターンの中から一言、二言を絞りだすか、下手くそな愛想笑いを浮かべた微妙な顔で頷く
ということしかできず、
せっかく話しかけてくれた相手に申し訳ない、なんか言わなきゃ、
という焦りと極度の緊張感の中でしか会話をしたことがなかったので。
もちろん、緊張感や焦りが全くないわけじゃないんですけどね。
安心感4、緊張感6ぐらいの割合かなという感じです。
結局、緊張感の方が多いのかよ!
って感じかもしれませんが、今までは安心感ゼロだったのが、4割にもなったわけですから、
私にとっては奇跡的な体験でした。
まとめ
ということで、「発達障害の勉強会」というと、
コミュニケーション能力の著しく低い発達障害者にとっては、
そんな人の集まるところ耐えられない、
そんな所に行くような発達障害者は、自分よりもコミュニケーション能力の高い、軽度発達障害な人ばかりだろう
重度にコミュニケーション能力の低い自分は、きっと誰とも話せない
などと思って敬遠しがちかもしれないな、と思うんですが、
勇気を出して、一度だけでも行ってみてもらいたいなと私は思います。
自分意外の発達障害者の方の仕事の話や生活の話もすごく参考になるんですが、
それ以上に、やっぱり、
同じ発達障害者との出会い
というのはすごく貴重だと思うんです。
私みたいに、同じ発達障害者の人だと定型発達の人よりも楽に話せる、ということもあるかもしれません。
私自身、
「楽に話せる」という体験ができるなら、もっと早くこの場所に出会いたかった
と思っています。
そうしたら、もっと学生時代のうちに、
定型発達だらけの高いコミュニケーションレベルの会話が繰り広げられる場で挫折体験ばかりを繰り返し、
誰とも話せない
という状態にならずに、
発達障害者同士で、自分に合った、ハードルの低いコミュニケーションレベルで、
「人と楽しく会話する」という体験を積み重ねて、
自分なりのペースで、少しずつ、少しずつ、コミュニケーションスキルを身に付けていけたなら、
もうちょっとましな社会人生活ができていたかもしれない、なんて思ってしまうんですね。
発達障害者の集会や勉強会の存在を知らなかった方や、知っていても迷っている方は、
一度行ってみたら、きっと何か得るものがあるんじゃないかなと思います。
発達障害者の勉強会ってどこでやってるの?
発達障害者の勉強会や集会、サークルは、発達障害を診断できる医師の在籍している精神科で紹介されていたり、
あとは、ネット上でも、フェイスブックでも色々と存在しています。
その地域ごとにあると思うし、そこに集まる人達の特性によって、
自分に合う合わないというのもあると思うので、
絶対プラスになるよ!
とはっきり断言はできないですが、できれば、一か所だけで判断せず、
ここは合わなかったけど、今度はこっちの会に行ってみよう
と、何か所か試してみたらいいんじゃないかなと思います。