それってただの外見の印象じゃない?
小学生の低学年頃から、私はいつも思っていました。
アイドルの何がいいんだろう。
彼はすごく性格が優しいの
彼女はすごく純粋なんだ
彼は頼りになるタイプだから
ってアイドル好きの人は言うけれど、
それって、本人に直接会って確かめない限り、想像の域を出ないよね?
って思ってました。
アイドルに限らず、俳優や女優、タレントなど、芸能人のファンになる人の心理が当時の私には全く理解できませんでした。
会ったこともないのに、その人の本性なんてわからないよね。
それって、単純に外見の印象だけで判断してるよね。
って。
だから、周囲がジャニーズや俳優のファンになって、
誰々君がかっこいい
誰々君のこういうところが好き
と楽し気に延々と話している状況に全くついていけませんでした。
他の学校はどうだかわからないですが、私の小学校では、小学3年生ぐらいからは、みんな、ジャニーズや俳優、女優、アイドルの話が自然と多くなりました。
元々コミュニケーションが壊滅的にできなかったので、アイドルの話じゃなくても会話にはついていけてなかったんですが、芸能人関連の話はさらに共感できず、まるで、意味不明の宇宙語を話す宇宙人の話を聞いているような気持ちでした。
友達でもないのに好きになるの?
そもそも、
友達でもない人を好きになる
という気持ちが全くわかりませんでした。
よく知りもしない人の、どこをどうやって好きになることができるんだろう、と。
というか、友達さえもできたことがなかった私にはわかるわけはなかったんですが。
なので、小学4年生ぐらいからは、加速度的にクラス内の会話についていけなくなりました。
当時、友達はいなかったですが、大人しいタイプ(派手なクラスをしきるタイプでない、というだけで私に比べたらとても明るい方達でした。)のグループの人達の会話になんとなく混ぜてもらっている状態だったんですが、
その大人しいタイプのグループの人達も、芸能人だけでなく、漫画やアニメの登場人物に対して、芸能人に対する好意と同じような親しみを持っているようだったので、
同じように、私は全くついていけませんでした。
そのキャラが実際に存在したとしても、本当の内面なんて実際に会って、親密になってからじゃないとわからないのに、自分の想像と希望的観測だけで、そこまで熱心に好意を向けられない、と。
もちろん、そのグループの人達も、そんなことは十分わかった上で、会話を楽しむための道具として、漫画やアニメなどの共通の題材を利用していただけだと、今ならわかるのですが、その当時の私にはわかりませんでした。
たぶん、発達障害特性による他人への興味のなさと、HSP特性によって普段から、他人の外見的、表面的な印象とその人の内面の本質とには大きな違いがあることを嫌というほど知っていた、という両方の特性から、全く共感できなかったんだと思います。
個性的な人への興味は持てるようになってきた
とまあ、内面を良く知らない人に対する好意を全く理解できなかった私ですが、現在は、そのからくりというか、心の動きのようなものは、なんとなく理解しているつもりです。
たぶん、こんな感覚なんじゃないかな
という気持ちで。
というのも、最近、その辺の脳の部分が発達してきたのか、少しずつ芸能人に興味を持てるようになってきたからです。
それでも、ジャニーズだとか、アイドル俳優、アイドル歌手には全く興味が持てないんですが、個性派俳優とか個性派タレントのような、内面の個性が強く表に現れているような人には、
どうして、そんなに特殊な考え方、感じ方をするんだろう
この人には世界はどういう風に見えているんだろう
という興味が持てるようになりました。
これって、私にとってはすごい変化なんです。
きっと、今までみんなはこんな風に人に興味を持っていたんじゃないかな
って、自分の感覚と重ね合わせて理解することができるようになったからです。
なので、今、若い方で、人に興味を持てずに悩んでいる発達障害の方がいたら、私のようにだいぶ大人になってから、徐々に興味が持てるようになることもあるので、そこまで深刻にならなくてもいいかもしれないな、と思います。