発達障害者は「教えられたこと」は絶対破れぬ規則となる。

発達障害者は規則を厳密に守りたがる

発達障害者は、こだわりが強く、完璧主義、生真面目、な性格であることが多いと言われます。

さらに具体的に言えば、例えば、

どんなに時間が差し迫っていようと、物事を最後まで完了させることにこだわる、
どんなに小さなことでも、規則を厳密に守ることにこだわり、臨機応変に例外を認めることができない、
ゼロか100かの極端な思考に陥りがち、
妥協したり、見逃したりすることができない、

などなど、融通が利かず、臨機応変、柔軟な対応ができず、視野が狭くなりがちです。

今回の話は、上記の症状の中でも、

規則を厳密に守ることにこだわり、臨機応変に例外を認めることができない

という症状に関連した話です。

発達障害者は最初にインプットした教えを覆すことが難しい

これは、私の場合、特にそうなんですが、他にも共感してくれる発達障害当時者の方もけっこういました。

大人になって、発達障害を自覚してからは、そういう自分の特性を把握し、なんとかコントロールできなくもなかったですが、子供の頃はこの特性がかなり強かったです。

具体的に説明しますと、

他人に教えられたことや、本の中で「こうしなさい」と書かれていたり、「~の方法」とかかれていたりすると、その情報が、瞬時に無意識のうちに、自分の中で「規則」としてインプットされます。

たぶん、普通の人だと、一つの「情報」、あくまでも「一例」として、例外や振れ幅のある「方法」として、インプットされるのでしょうが、

発達障害者は、自分で「正しい情報」、「正しい方法」と認識した場合、それを誰かに「絶対に破ってはいけない」とか「これが唯一の正しい方法ですよ」と言われたわけでもないのに、それらの情報を「破ってはいけない規則」としてインプットされてしまいます。

規則を破ることに強い抵抗感を持つ発達障害児ですから、一度、自分の中に規則としてインプットされてしまえば、その規則を、後から覆すことはものすごく精神的苦痛を伴います。

ものすごくイライラしたり、強い焦燥感にかられたり、強力な罪悪感に囚われます。

一度インプットした規則を覆すからには、その正当性、つまり、なぜ覆す必要があるのか、現在の規則にどのような欠陥があるのか、など、理論的に、覆すことに納得できる説明をしてもらわないと、受け入れられないのです。

「破れない規則」が職場で引き起こすもの

教えられたこと=破れない規則=臨機応変な対応ができない

最初に教えられたことが、「破れない規則」としてインプットされると、実際の職場ではどのような問題がおきるかと言えば、それは、「臨機応変な対応ができない」という、発達障害の代表的な特性として現れます。

もちろん、「臨機応変な対応ができない」という現象の原因が全て「破れない規則」によるものだとはいえません。
しかし、私個人においては、ほぼ9割、「破れない規則」によって「臨機応変な対応ができない」という状態が引き起こされていました。

例えば、

一番最初に、

「この6つの書類を、1つ目はA、2つ目はB、というように、それぞれA~Fの6つの方法でまとめていってね」

と言われた場合、渡された書類が6つある場合は問題ないですが、

書類が5つしかない場合、途端にどうしたらよいかわからなくなり、固まってしまいます。

5つ目の書類は5番目の方法のEでやるべきなのか、それとも、一番最後の書類だから、方法も一番最後のFでやるべきなのか…

などと、答えの出ない疑問が頭の中をめぐり続けます。
下手したら30分ぐらい延々と固まり続けることもあります。

最初に教えられた方法は「絶対に破ってはいけない規則」としてインプットされているので、それを覆す正当性を論理的に説明できるだけの材料を自分の中で探し出す作業に大幅に時間がとられてしまい、臨機応変に「今回の書類は例外として、いつものやり方を少し変更して対応すればいいか」という発想にはなれないのです。

そして、周囲から、

何さっきから何十分も考え込んで時間無駄にしてんの。
わからなかったら、聞けばいいじゃん。

と言われてしまいます。

それはごもっともなのですが、「“絶対に破ってはいけない規則”を覆す正当性を論理的に説明できるだけの材料を探し出す作業」は、自分の意志で発動させるというよりも、自動的に、反射的に発動するので、

「覆す正当性を説明するための材料探し」を発動させる前に、先輩に聞きに行く、

という行動ができないのです。
その行動を想起する前に、瞬時に、「覆す正当性を説明するための材料探し」が発動してしまうからです。

まとめ

上記のように、最初に教えられたことを、単なる「方法」、「情報」としてではなく、どんなに些細なことでもいちいち「厳格なルール」、「正当で論理的な理由がない限り破ってはいけない規則」としてインプットしている、ということに気付き、その結果、「臨機応変な対応ができない」状態を引き起こしている、と気付いてからは、

最初に何かを教えられた時に、自分の心の中で、

今教えられたことには、例外を適用できる
今教えられたことに変更を加えることが必要なこともある

というように唱え、インプットされてしまう規則に対して、自分で「例外を認める」という文言を明確に付け足すことで、「規則を覆す正当性を説明するための材料探し」が発動するのを防ぐことができるようになりました。

もちろん、全てうまくいくわけではないですが、その方法に気付く前よりは、だいぶ楽になりました。

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