HSPの人が、自分を守るために一番大切なこと。

それは、どんな時も自分を責めないこと、否定しないことだと私は思います。

なぜ、それがHSPの人にとって最も大切だと思うのか、下記でもう少し詳しく説明してみようと思います。

HSPの人は非HSPよりも過剰に自分を責めがち

自分の経験上でも、他のHSPの人に聞いた情報でも、HSPの人は、過剰に自分を責めがちだと思います。

そして、自分が非HSPの人よりも過剰に自己否定しやすいという特性に全く気付いていないHSPの人が多いのではないかと思うのです。

私自身、HSPと診断されてからずいぶん後に、カウンセラーの方や知人に指摘されて初めて、自分の過剰な自己否定傾向を自覚しました。

では、なぜ、HSPの人は過剰に自分を責めてしまうのか。

その原因については、以下で詳しく説明してみたいと思います。

HSPの人が自分を過剰に責めてしまう原因

HSPの人が自分を過剰に責めてしまう原因は、以下の3点にあるのではないかと私は思っています。

  1. 相手からの情報過多で、自分への共感がおろそかになる
  2. 自分の中のほんの僅かな負の感情も全て感じ取る
  3. 非HSP的な生き方に囚われている

以下で、各原因について説明してみます。

1.相手からの情報過多で、自分への共感がおろそかになる

HSPの人は、発達障害とHSP。他人の感情に敏感すぎるという特性。HSPの人は買い物に行くだけで、寝込むほど疲労する。で説明したように、外から入ってくる情報に対して、他人の感情、視覚情報、聴覚情報、触覚情報といった全ての感覚において、非常に敏感です。

非HSPの人が全く気にならないような微量なレベルでも敏感に感じ取ってしまいます。

それは、常に、他人の情報にしろ、周囲の物の情報にしろ、自分以外の情報で自分の中が溢れかえっている状態である、ということです。

そうなると、常に入り込んでくる自分以外の情報に対して、それをなんとか処理しようとします。

物に対する敏感さ

例えば、物だったら、

あそこにある小さな傷はどうしてできたんだろう。
誰かがぶつかったのかもしれない。
移動させた方がいいかもしれない。

というように、通りを歩いていて何気なく目に入った物の、誰も気付かない「小さな傷」という物の情報から派生してどんどん思考は広がっていきます。

誰かがぶかったかもしれない、という思考から、ぶつかった時のその人の痛みまで瞬時に想起し体験しています。

考えている、というより、一つの情報の入力をきっかけに、その情報に関するあらゆる情報が次々と頭の中にダウンロードされる、といった感覚です。

なので、HSPの人は、一つの作業をしていても、ふと他の情報に囚われると、ついつい手をとめたまま考え込むことが多いかもしれません。

それは考えたくて考えてるのではなく、強制的な多量の情報のダウンロード中で他のことができない状態で、重いデータをダウンロード中のパソコンの状態に似てるような気がします。

他人に対する敏感さ

そして一番やっかいなのが、物よりも、他人の情報に対する敏感さなのです。

例えば、私の場合、その人と初対面でも、出会った瞬間に、

この人は、こんな場面でこんな言葉、こんな思考方法、こんな行動を選ぶ人、

というようなその人のプロファイル(分析)データがダウンロードされるような感覚があります。

その人がどんな感情のもとにその言葉を選び、考え、行動するのかも感じています。文字情報というより、その人の持つエネルギーの中に刻み込まれたエネルギー情報を感じ取っている、という感覚のような気がします。

さらに、

この人は、今、本人でも自覚できないぐらい微量の不快感を持っている、

という感覚が入ってくることもあります。これも、情報というより、その人の複雑な感情がそのまま自分の中に入ってきて、その感情が自分の感情のように感じてしまう感覚です。

そういう、他人の微量の不快感を常に感じ取っていると、無意識のうちに、相手の不快感を解消してあげようとしてしまいます

こうしてあげた方がいいかな、こう言った方がよかったかな、などと、色々と気を遣って、相手の顔色を伺うような行動をしてしまうかもしれません。

これは、相手への優しさ、という面もあると思います。

でも、それとは別の切り口から見れば、次々と自分の中に入り込んで来る他人の負の感情に耐え切れず、なんとかして、相手が負の感情を放出しなくて済む状態に導くことで、自分を守る、という無意識の防衛反応である、という面もあるような気もします。

相手の立場に立つばかりで、自分の立場に立つことを忘れてしまう

そんなことを常にしていると、常に他人の情報への対処に追われ、

自分が本当は何がしたいのか、
自分は不快なのか快適なのか、
嫌いなのか好きなのか、
疲れているのか元気なのか、

など自分自身の体や心の情報に意識を向ける余裕がなくなってしまいます。

そして、常に相手の感情に同調し、相手の不快感を解消することばかりに思考が奪われているということは、常に相手の立場に立って考えるばかりで、自分の立場に立って考えることがおろそかになっている、ということでもあります。

対人関係の問題で、自分が深く傷ついていても、

相手はこんなに怒っているのだから、自分が悪いんじゃないか、
自分にも原因があるんだから、これぐらいされても当然だ、
自分があんな言い方したから相手が怒るのも仕方ない、

というように、まるで、自分だけが悪く、相手は全く悪くないかのような判断をしてしまいます。

どちらか一方だけが悪いなんてことはほとんどない

でも、冷静に考えてみて下さい。

完璧な人間などいないのです。
誰でも、失敗し、愚かなこともします。

なのに、なぜ、あなたがそれをした時だけ、一方的にあなただけが責められなくてはいけないのでしょうか?
本当に相手には、ひとカケラも悪いところはないですか?

あなたがされたことを、あなたの大事な人がされた、と考えてみましょう。

あなたは、自分を強く責めたのと同じように、あなたの大事な人に対して

あなたにも原因があるんだから、これぐらいされても仕方ない

と言えますか?

何も、相手だけが悪い、相手だけを責めればいい、ということではありません。

ただ、もう少し、自分の立場に立って、ニュートラルな視点で見て、感じて欲しい、ということです。
HSPの人は、ニュートラルでいるつもりでも、周囲から見れば、あまりにも相手の立場、気持ち、事情に寄り添い過ぎている、という場合が多いと思います。

私はそんなに優しい人間じゃない

なんて言う人がいるかもしれません。でも、優しい、優しくない、という問題ではないのです。あまりにも相手の情報で自分の中が溢れかえった状態が長く続き過ぎたために、自分の心や体の声が聞こえなくなっているだけなのです。

相手の心や体の声ばかり聞いてきたから、自分の心と体の声を聞く術を忘れてしまっているのです。

人間同士のぶつかり合いは、どちらか一方だけが悪いように見えても、深く本質の部分を見ていくと、たいていは、お互いさまな部分があります。

傷付いた時、どうか、誰よりも先に、自分の心と体の声を聞いてあげて下さい。

2.自分の中のほんの僅かな負の感情も全て感じ取る


前項では、外からの情報過多で自分を責め過ぎる場合について説明しましたが、ここでは、自分の中の情報に対する敏感さによって自分を責め過ぎてしまう場合について説明します。

HSPの人は、他人の感情だけでなく、自分自身の感情についても敏感です。

それは、他人の感情に対する敏感さと同じく、非HSPなら自覚できないぐらいの微量の負の感情を自分の中にも見つけてしまいます。

だから、どんなに小さな負の感情でも、見つける度に、

ああ、自分はこんなことを考えてしまうなんて、なんて酷い人間なんだろう

と1日のうちに何度も何度も自分を責めてしまいます。

非HSPの人なら、

これぐらいみんな考えることだよね、
ちょっとぐらい悪いこと考えたっていいよね、

というように思えることも、HSPの人は延々と自分を責め続けてしまいます。1日中、もしくは数週間責め続けることだってあります。もっと言えば、思い出す度に責め続けます。

単なるネガティブとは違う

これは、単なるネガティブな人、ということではないのです。

あまりにも頻回に、自分の中にある微量な負の感情に気付いてしまうがゆえに、あたかも自分の心が真っ黒に汚れているかのように錯覚してしまっているのです。

でも本当は、あなたの心は真っ黒なんかじゃありません。
ところどころ、暗い色の部分はあるかもしれないけれど、

そのすぐ隣の色はキラキラ輝く虹色かもしれない、
澄んだ空色かもしれない、

暗い色ばかり数えないで、それよりもっとたくさんの輝く色を自分の中に見つけて下さい。

それに、暗い色があるからこそ、綺麗な色がより引き立つのです。

ただ暗い色だと思ってたその部分をよく見たら、深く静かな輝きがあるかもしれません

また、自分と同じように自分の中の暗い色に悩んでいる人を見つけた時、その人に

私もそんな色があるよ。
みんなそうだよ。

って言ってあげて、その人を笑顔にさせてあげることができるかもしれません。

チューブから出したばかりの混じりけのない原色よりも、黒や茶色が少し混ざった色の方が落ち着いた、人を安心させる色になります

どうか、あなたの中の暗い色を嫌いにならないで下さい。
そして、そんな色を見つけた時は、

深みのあるなかなか渋い色だわ、
これで、また私と同じ色を持つ人と分かり合えるんだ

って思うぐらいでいいのです。

悪い感情なんてこの世にない。人間はもっと自由だと思う。

負の感情を持つことを悪いことだと思うのはやめましょう。

怒って泣いて笑って、恨んで妬んで蔑んで、でも次には喜び、愛し、また笑う、それが人間です。

悪い感情などないのです。

いつも笑って、良いことしか言わない、綺麗なことしか言わない、そんな人ってつまらなくないですか?

私は、時には毒舌を言う人の方が好きです。
時には人を妬む人の方が好きです。

その方が自由を感じるから。

人間はもっと自由でいていいと思うのです。聖人君子なんか目指さなくていい。
ちょっとダメな部分があるぐらいの方が人として可愛げがあるじゃないですか。

そう思うことで、自分を責め続けるループから抜け出してほしいなと思います。

というか、偉そうに語ってますが、これは私自身に言い聞かせてる感じですね。

3.非HSP的な生き方に囚われている


HSPの人はできるだけ早く、自分の中にある「非HSPの人を基準にした生き方」をクシャクシャにまるめてゴミ箱にぶち込むことをおすすめします。

なぜなら、非HSPの人を基準にした生き方は、HSPの人には全く合わないことが多々あるからです。

社会における割合としては、非HSPの人の方が多いです。なので、世の中で、良しとされる生き方、理想とされる生き方は、ほとんどが非HSPの人を基準にしたものです。

日常生活での良しとされる行動、考え方、それらもほとんどが非HSPの人を基準にしたものです。

なので、HSPの人はその自分には合わない行動、考え方を無理して遂行し、できないと、

こんなこともできないなんて自分はなんてダメな人間なんだろう

と自分を深く責めてしまうのです。

もしこの文章を読んでいるHSPの人がいたら、そんなことは今すぐやめて下さい。

買い物に行けなくていいんです。
掃除ができなくていいんです。
苦手だと感じる人がたくさんいていいのです。
会社で働けなくていいんです。
仕事がうまくできなくていいんです。

なぜなら、あなたはそれらができないぐらいに、心と体が疲れているからです。
絶え間なく自分の中に入り込む情報に溺れて、疲れ果ててしまっているからです。

みんなと同じペースで、同じ量を、なんてできなくていい。
自分のペースで、自分ができる範囲で少しずつやっていけばいいんです。

そもそも、他人の潜在意識レベルの本人が自覚してない感情までも感じ取ってしまうようなHSPは、会社などの集団で長時間作業する場など向かないのです。

甘えだ!なんて言う人は華麗にスルー!

外から見れば、あなたがそこまで疲労してるなんてわからなくて、

私だって疲れてるのに頑張ってるんだから、あなただってもっと頑張るべき!
そんなのみんな一緒だ!みんな疲れてるけど頑張ってるんだ!
甘えるな!怠けるな!

なんて言う人もいるでしょう。
でもそんな時は、強い心で無視をしましょう。
分かり合う努力をしてもいいですが、かなりの労力と時間が必要です。

その人たちが言っている「疲労」と、あなたが抱える「疲労」は質も量も全く違います
でも、それは自分で体験してみないとわからない感覚です。

なので、非HSPの人はその感覚を本当の意味で理解することはできないと私は思います。

自分で自覚しているよりもずっと敏感だということを認める

まずは、

私はそこまで敏感じゃない
私はそこまで感じ取っていない

だから、もっとみんなみたいに、これぐらいできなきゃいけないんだ

って思うのをやめましょう。

あなたは、自分で自覚しているより何倍も敏感です。
あまりにも、自然に無意識に様々な情報を感じ取っているがゆえに、自分がどれだけの多くの情報を感じ取っているかを認識できてないだけなのです。

HSPの人がもっと自由に笑顔で生きるためには、自分の敏感さは自分で自覚している以上のものだということをまず認める、ということから始まるんじゃないかと思います。

そうすれば、今まで見えてこなかった生き方、今まで見えなかった世界が見えてくるんだと思います。

まとめ

会社で働けなくていい、なんて言っても、現実には、じゃどうすればいいの?
やらなきゃ生活していけないよ!

って思う人がいるかなと思います。

なので、私個人の見解として、現実的、具体的には、HSPの人には在宅ワーク、在宅勤務(会社に在籍しながら仕事は在宅でする)が一番だと思います。
もしくは、短時間勤務+在宅ワークアルバイトやパート、派遣社員+在宅ワークでもいいです。

それだと正社員の人の給料よりも低い収入になってしまうと思います。

でも私は、心と体の健康よりも大事なものはないと思います。
ストレスは自分で自覚している以上に心と体に負荷をかけます。HSPの人なら、なおさら多大なストレスが常にかかっています。

その状態を何年も続けた結果病気になるより、収入が減ったとしても、自分にかかる負荷を最小限にする生き方をした方が私はいいと思っています。

HSPの人は、そのあまりの疲労度によって、慢性的にうつ状態にある人が多いです。なので、うつの診断がつけば、障害者年金がもらえたり、ヘルパーさんを雇ったりすることもできます。

変なプライドだけ握りしめて、心と体をボロボロにして生きていくより、そういう制度を利用することも考えてもいいと私は思います。

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち

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